☆〇 断崖絶壁の一本道 ★○





断崖絶壁の一本道


断崖絶壁の一本道を歩いている。
ひたすら前へと歩いている。
目の前に岩がある。
前に進むには、この岩を打ち砕いて進まねばならない。
しかし、初めて見るこの岩を どうやって打ち砕いたら良いのか
そのすべをしらない。
そもそも、その岩が何か?を知らない。
大きいのか小さいのか、硬いのか軟らかいのかも分からない。
しかし、この道を前に進むには、この岩は避けては通れないようだ。
打ち砕くか…?、当たって砕けろとは、このことなのか?
砕けてしまうのは、自分となるのか?
しばし、岩を前にたたずんでいる。

ふと横を見ると、そこには、もう何度も岩を打ち砕いてきた先達たちがいた。
黄色いヘルメットを被り、ツルハシ、金槌、削岩機、ブルトーザー、
様々な道具を駆使して、黙々と岩に立ち向かっていた。
ガーガー、ガッシーン、ドッシーン、
少なくともここから逃げ出す者は、一人もいないようだ…。



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