★スカイツリーポスターの考察★
スカイツリーの暗い不思議なポスターを見つけた。とにかく暗い。
右端にスカイツリー、左側に余白、上部にたなびく雲?という構図は、水墨画や山水画の古典的な構図が使われている。色づかいもモノクロで、作者はまさに山水画をイメージしているようだ。さらにこの構図には、独特の あるお決まりのメッセージが埋め込まれている。
スカイツリー、余白、雲には、それぞれ、能の世界でいう、’本舞台’と’次の間’、これらを繋ぐ‘橋がかり’を暗示している。あるいは、仏教でいう’現世’と’来世’、これらを繋ぐ、’橋渡し‘を暗示している。
もうすこし分かりやすく言うと、このポスターは、スカイツリーを’現代’に、余白を’未来’に、雲を‘橋’に見立てている。何かを何かに見立てるという事が日本画には良くある。又、’橋’というモチーフには何かと何かを’繋ぐ’という意味がある。
余白が’未来’というのは、見えるものと見えないもの、見たいものと見えないものが、逆転した世界であり、より見たいもの=大切なものは、見る側である私達の心の中に、ゆだねられているという構成である。
これらから作者の意図は、
『現代から未来への橋渡しは、スカイツリーが担っているんだ!』
という決意が込められている。………と推察できる。
『3000万人に会える空』というのは、スカイツリーに登ったら、一都六県3000万人と会えるという意味なんだろうが、ポスターの意味とは、どうも繋がらない。
つまりポスターの作者とは、別の人が考えたキャッチコピーで、前述のポスターの意味が分からない人が考えたということか?
それとも、繋がらないということに意味があって、ポスターとキャッチコピーの間には、’本舞台’と’次の間’、これらを繋ぐ‘橋がかり’を暗示しているということなのか……う〜ん、奥が、深すぎる……。
良くも悪くも、少なくともこのポスターに目が行き『なんだこれは?』と、思った瞬間に、作者の、”狙いどおり””思う壺””罠に落ちた”ということか…? 作者の意図は、ここにあったのだから……。
以前のパステルカラーの視覚に訴える”キレイ・可愛い”という”子供向け”のポスターとは違い、このポスターは、『何かな???』と考えさせる ”大人向け”のポスターとなっている。このポスターの制作は、博報堂らしい。さぞかし高価だったんだろうな…というのは、余計なこと?
以上ではあるが、現代人の多数の’感性’からすれば、ちんぷんかんぷんで、意味が分からないから、『面白くない!』という、残念ながら評価の低いポスターなんだろうな……。作者は、これをどう思っているのだろうか……。
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